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マイクロ波加熱によるCa(OH)₂/SiC混合ペレットの脱水反応の電磁場・伝熱・反応連成解析と加熱効率評価
Ca(OH)₂/CaO系化学蓄熱では、充填層の低い熱伝導率が蓄熱速度の律速となる。マイクロ波加熱は材料内部で体積的に発熱するため、この制約を回避できると期待される。本研究では、SiCナノ粒子を7wt%混合したCa(OH)₂ペレット(φ14mm、厚さ3mm、空隙率0.45)を2.45GHzのTM010単一モード共振空胴内で脱水し、その過程をCOMSOL Multiphysicsにより解析した。複素誘電率はベクトルネットワークアナライザを用いた空洞共振摂動法により実測し、解析の入力とした。
解析は二段階で構成した(図1)。第一段階では「電磁波、周波数領域」インターフェースに集中ポートを与え、空胴内の電界分布を求めた。第二段階では、その抵抗損失密度を発熱源として時間依存解析を行い、多孔質ペレット内の固体伝熱、空胴内空気の自然対流(層流・非等温流れ)、石英ガラス管と空胴壁面との面間輻射、およびSchaubeらの反応速度式に基づく脱水反応をドメインODEとして連成させた。
実験では、マイクロ波印加後1分以内に450℃を超える温度に到達し、蓄熱密度約1 GJ/m³、ピーク蓄熱出力密度2.4 kW/Lが得られた。共振周波数の変化は一次反応則に従うため、重量測定に代わる反応進行のその場追跡が可能である。解析では、二つのペレットを接触させた際に接触界面へ電界が集中し(図2)、局所的な発熱密度の増大と接触点から伝播する反応フロントが生じることを再現した(図3)。これは接触時に測定された共振周波数およびQ値の低下と整合する。さらに解析結果に基づく電力収支から加熱効率を評価し、試料吸収電力を基準としたピーク効率73%を得た(図4。整合器・ケーブル・空胴での損失は含まない)。一方、本モデルは石英ガラス管内の空気中における水蒸気拡散を考慮していないため、反応率を過大評価している。生成した水蒸気による局所的な分圧上昇は平衡温度を上昇させ反応を遅延させるため、水蒸気輸送の導入が今後の課題である。
